アイデア

みんなの美術館デザインノート

「みんなの美術館プロジェクト」が制作したアイデア集を紹介します。
聞こえない人・聞こえにく人がミュージアムで感じている思いなどから
鑑賞環境の課題や開かれた場をつくるヒントがみえてきます。
(以下、「みんなの美術館デザインノート」はじめにより抜粋)

「誰もが心地良く利用できるミュージアム」を目指して、2008年に発足した「みんなの美術館プロジェクト」では、横浜市民ギャラリーあざみ野を拠点に、さまざまな人たちとインクルーシブデザイン・ワークショップを行い、ミュージアムの課題や魅力を探ってきました。多様な来館者の視点から、障がいや年齢、文化の違いによる「気づき」を集め、改善のアイデアを出し合いながら、来館者の「思い」を中心に、ミュージアムのあり方や可能性を考えてきました。13回のワークショップで出された「気づき」は、1,300件を上回ります。その多岐にわたる指摘は、項目別に検索できるデータベースに整理して、WEBサイトで公開しています。
そして、より広く活動の成果を共有するために、この「みんなの美術館 デザインノート」を作成しました。来館者の特性別の「思い」や、共通する「課題」、そこから生まれた「アイデア」をまとめたこのノートには、「みんなの美術館」に向けたヒントが隠れています。
私たちは、これまでの活動から、たくさんの「気づき」を得ることができました。多様なニーズを持つ人たちと共に考えることで、視野が広がったり、思わぬアイデアが生まれたり、問題の本質がみえてきたり。小さな「思い」が普遍的な問題を示唆していることも多く、何気ない「気づき」によって固定観念を崩されたり、自由な発想や純粋な願いから新たな可能性がみえてきたりしました。そういった「気づき」が、このプロジェクトでは、大切だと考えています。
このノートに収めた内容は、私たちが得た「気づき」をもとに編集した提案であり、対処方法を示したマニュアルではありません。みなさんがこのノートをきっかに、さまざまな人と協働して「みんなの美術館」に向けた取り組みを始めることで、ミュージアムがより開かれた公共空間になることを願っています。
2012年10月美術館×インクルーシブ×デザイン実行委員会一同

「みんなの美術館デザインノート」
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「思い04:聴覚に障がいのある人」
多様な来館者の思いをまとめた章「ユーザーノート」より抜粋

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