■聞こえない人・聞こえにく人は、さまざま
聞こえない人がみな、手話を使えるわけではありません。手話を母語とする人もいれば手話ができない人もおり、口話ができる人できない人、文字言語が苦手な人など、さまざまです。いつから聞こえないのか、どう聞こえにくいのかなど、各々の状況により、コミュニケーション手段も、その使い方も異なります。また、手話には主に、日本語の文法に手話単語を当てはめた「日本語対応手話」と、日本語の文法とは異なる手話独自の表現を用いる「日本手話」の2種類があり、さらに方言もあります。
■日本語(文字言語・音声言語)が苦手な人もいます
普段、日本語の文法と異なる日本手話を使っている人の中には、文章を読むのが苦手な人もいます。子どもでも読めるようにと、すべて平仮名で書いたり、カタカナを多用したりすると、かえって読みづらくなることがあります。掲示物の文章などを作成する際は、わかりやすい言葉や言い回しで書くことはもちろん、読むのが苦手な人のことも考え、長文は短く区切る、漢字にはルビをふる、英語やカタカタには意味を補足する、文字は見やすい色や大きさにする、要点が伝わるように書体を工夫するなど、「読みやすさ」にも配慮しましょう。
■多様なコミュニケーション手段へのご理解を
手話と一緒に声が出ることもあるため、静かな展示室では、手話で周りに迷惑をかけているのではと心配している人もいます。また、展示室で筆談していると突然、注意されることがあります。まずは、多様なコミュニケーション手段へのご理解を。そして、例えば展示室でペンが使えない場合は、入口で「できない理由」を伝えてから鉛筆を貸し出すなどの配慮をお願いします。