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さいたま市立漫画会館の手話通訳付きギャラリートーク

さいたま市立漫画会館(以下、漫画会館)は、漫画家として活躍した北沢楽天さんのアトリエとして使われていた住宅が日本で初めての漫画に関する公立美術館になったものです。

その美術館の学芸員の石田さんは、大宮盆栽美術館から一昨年に異動でさいたま市立漫画会館にやってきました。石田さんは、大宮盆栽美術館時代からギャラリートークに手話通訳を導入することを考えていて、美術と手話プロジェクトと何度も話し合いを重ねるなど、とってもあつ~いステキな人です。しかし、漫画会館は、常駐の職員が館長、事務職員、学芸員の3人だけで運営をしている小さな美術館で、館内だけで新たな取り組みを行うにも人数的に限界があります。そのため、漫画会館は地元の高校などと連携した取り組みなどを行っていました。

漫画会館で行われているギャラリートークでは、手話通訳がつくだけでなく、透明字幕パネル「Rælclear(レルクリア)」(株式会社ジャパンディスプレイ)を使った試みも行っています。そのパネルは、お話する石田さんの顔近くの高さになるようキャスターのついているワゴンに設置し、容易に移動ができるようになっていました。聞こえない人の中には、手話を見るのが好きな人もいれば、文字情報を見るのを好む人もいます。いろいろな聞こえない人が楽しめるように、少人数のスタッフで手話通訳、文字情報の両方に対応するといった取り組みはとても興味深いものでした。また、このギャラリートークでは、在日数年以上の外国人の女性も参加していましたが、音声を聞いただけでは理解できないことが、字幕パネルを見て確認できるのはとてもいい、とのこと。こういった漫画会館でのギャラリートークの取り組みは、鑑賞のハバを広げる一助になるのではないかと感じました。わたしは知人2人とともに参加しましたが、彼らと帰り途中、漫画会館近くのカフェにてギャラリートークのことを振り返りながらいろいろとお話しました。

漫画会館では企画漫画展等のギャラリートークでは継続的に手話通訳をつけるだけでなく、透明字幕パネルも取り入れて行う予定だそうです。また、漫画会館から徒歩で大宮盆栽美術館、鉄道博物館にもいくことができます。そしてオシャレなカフェも点在しています。ミュージアム巡りしてゆっくりお茶する散歩もいいですね。

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